祇王寺の紅葉(京都嵯峨野)

祇王寺の紅葉

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祇王と清盛
 赤い紅葉に包まれるように祇王寺の草庵が静かにたたずんでいます。晩秋から初冬にかけて草庵の茅葺きの屋根に散紅葉が積もり、緑の苔に覆われた庭にも散紅葉が積もり赤や黄に彩られた美しい庭が見られます。

 京都嵯峨野の小倉山の麓に建つ祇王寺は平清盛の寵愛を失った白拍子の祇王、妹の祇女、祇王の母親刀自(とじ)の三人と、後で一緒になった仏御前が静かに余生を送った平家物語にも登場する悲恋の尼寺です。

 悲しい祗王の物語が散紅葉に彩られる悲哀に満ちた静かな光景に再現されているようでもあります 

 白拍子の祇王は平清盛の厚い寵愛を受けていましたが、清盛の心が次第に後に現れた仏御前に移っていったと平家物語に書かれています。

 悩んだ祗王は出家して妹の祗女と母の刀自との3人で、嵯峨野の草深い山の麓に隠棲しました。仏御前も世の無情を考えて後で加わり、静かな尼寺で4人で念仏三昧の余生を送った女人哀史が伝えられています。

 祇王寺の境内には祇王姉妹と母刀自(とじ)の墓といわれる宝筐印塔と平清盛の供養塔があります。

祇王寺(ぎおうじ)
 祇王寺は往生院祇王寺と号する真言宗大覚寺派の頭塔寺院で、平安時代後期の天台宗の僧で法然上人の弟子であった念仏房良鎮(りょうちん)が平安時代末期に往生院を開創したのがこの寺の始まりだと、祇王寺に掲示されている由緒書に書かれています。

 祗王他4人が余生を送った寺は往生院で、これが由縁で後に祇王寺と呼ばれるようになりました。

 明治28年(1895)に再建された祇王寺本堂には本尊の大日如来像と、平清盛と祇王ら四人の木造尼僧像が安置されています。鎌倉時代に作られた祇王と祇女の木造像の悲しめの顔には水晶の眼がはめられています。

祇王寺の所在地
 京都市右京区嵯峨鳥居元小坂町32
祇王寺の宗派
 真言宗大覚寺派
祇王寺の拝観時間
 朝9時より夕5時(拝観受付は4時半まで)
祇王寺の拝観料
 
大人300円・小人(小・中・高)100円
祇王寺への公共交通機関
●市バス「嵯峨小学校前」下車、徒歩約15分
●京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車、徒歩約15分
駐車場
 自家用普通車が無料で6台程駐車できます。