興聖寺(こうしょうじ)
道元禅師を開祖として天福元年(1233年)に日本最初の禅寺として京都市の深草に建てられた由緒あるお寺でしたが、重なる戦乱のために廃絶していました。
その後の慶安元年(1648)に淀城主永井尚政(ながいなおまさ)が宇治の地にこれを再興して今日にいたっています。
茶人でもあった永井尚政が山水を取り入れて今に見られる美しく枯淡な境内を造ったといわれています。
本尊の釈迦三尊像を安置する本堂は伏見城の遺材で造られたとも伝えられ、京都鷹峯の源光庵、東山の麓の養源院とともに戦いの跡を留める血天井も見られます。
興聖寺の紅葉
宇治川沿いに切石が立てられた風情ある総門から竜宮造りの三門までのゆるい坂道の参道を琴坂と呼ばれています。
春には桜、山吹、姫ツツジなどが美しく咲く琴坂は秋の紅葉もことのほか綺麗で、三門の白壁と赤い紅葉が美しいコントラストを描きます。
琴坂は坂道の脇を流れるせせらぎの音を琴の音色になぞらえて「琴坂」と呼ばれています。
手習観音
境内に安置されている平安時代中後期に彫造された木造聖観音立像は、かっては源氏物語「宇治十帖」の古跡「手習の杜(てならいのもり)」に祀られていたことから「手習観音(てならいかんのん)」と呼ばれて親しまれています。
興聖寺の所在地
京都府宇治市宇治山田27-1
興聖寺の宗派
曹洞宗永平寺派
興聖寺の境内拝観自由
興聖寺の本堂拝観 志納300円
興聖寺への公共交通機関
●JR奈良線「宇治」駅より徒歩約20分
●京阪電車宇治線「京阪宇治」駅より宇治川の右岸沿いの道を徒歩約15分
駐車献香料 500円