神護寺(じんごじ)
高雄は清滝川の渓谷沿いの栂尾、槙尾とともに三尾と呼ばれ、古くから紅葉の名勝として有名です。清滝川の懸崖に建つ神護寺の秋は境内全体が赤い紅葉に包まれます。
紅葉の名勝として知られる神護寺の山号は高雄山です。神護寺は高野山真言宗別格本山で、正式名が神護国祚真言寺(じんごこくそしんごんじ)です。
山城高雄のバス停から自然石で組まれた階段を下りて高雄橋で清滝川を渡ると400段ほどの昇り階段が続きます。紅葉で飾られた楼門をくぐり、拝観料を払って神護寺に入ります。神護寺の広い境内には金堂、五大堂、毘沙門堂、大師堂(重要文化財)、明王堂(護摩堂)、多宝塔などが紅葉と共に建ち並んでいます。
神護寺の開基は和気清麻呂(わけのきよまろ、733~799)といわれ、神護寺の境内には清麻呂公の墓があります。和気清麻呂が延暦元年に河内国(現在の大阪府)に建てた神願寺(しんがんじ)を平安時代の天長元年(824)にここに移し、同じく和気清麻呂がこの地に建てた高雄山寺とを併せ神護寺となったと伝えられています。
弘法大師空海を初代の住持に迎えて真言宗発祥の寺院として開創され、唐から密教を学んで帰った空海がここを活動の拠点としました。
応仁の乱ではほとんどの堂宇を失い、江戸時代初期には復興しましたが、明治維新には再び衰退の憂き目に遭遇しました。今に見られる伽藍のほとんどはその後の復興で、紅葉が飾る石段の上に建つ金堂は昭和8年の建築ですが、金堂の厨子には国宝の木造薬師如来立像が安置されています。
平安時代の仁安3年(1168)に建てられ、桃山時代に改築された大師堂は重要文化財に指定され、本尊として鎌倉末期に作られた板彫弘法大師像が安置されています。他にも多くの国宝及び重要文化財が所蔵されてています。
神護寺境内の南西に建つ地蔵院の傍から見下ろす清滝川の渓谷に向かって素焼の皿を投げる「かわらけ投げ」ができます。各地にある「かわらけ投げ」は神護寺が発祥と言われています。
神護寺の所在地
京都市右京区梅ヶ畑高雄町5
神護寺の宗派 高野山真言宗
神護寺の拝観料
大人~中学生 600円、小学生 300円
30名以上の団体割引あり
神護寺の拝観時間 AM9~PM4
神護寺への公共交通機関
JR京都駅前よりJRバス栂ノ尾・周山行きで約50分、山城高雄下車
山城高雄バス停より高雄橋を渡り、神護寺までは石の階段を昇ります。